ハマ弁日誌

弁護士大石誠(神奈川県弁護士会所属)のブログ

3月のニュース(消費税総額表示など)

一か月に一度は更新をと思いながら3月末となってしまいました。

有り難いことに,司法修習の同期が声を掛けてくれ,弁護士冥利に尽きるという案件を一緒に取り組んだり・・・という3月でした。


●正当防衛で無罪
横浜地裁で3月19日,傷害罪で審理されていた事件の無罪判決が出たとのニュースがありました。

横浜市内の路上で,70代男性(Vさん)から殴られた60代男性(Aさん)が,Vさんを殴り返したために,Vさんが転倒し,外傷性くも膜下出血などの怪我を負ったという事件だったようです。
AさんがVさんを殴った行為には正当防衛が成立するとして無罪判決が出ました。


同性婚の実現に一歩前進
札幌地裁で3月17日,同性婚が認められないのは違憲であるとして,北海道の同性カップルが国を相手に起こした裁判の判決がありました。
原告となった同性カップルが婚姻届を提出したところ,受理されなかったことに対して,同性婚を認めない法律は憲法に違反すると主張していたようです。

裁判所は,概要,
異性愛・同性愛という性的指向は,人の意思によって選択・変更できない事柄であること
②婚姻によって享受できる法的な利益は,同性愛者であっても異性愛者であっても等しく享受しうる利益であること
③同性愛を精神疾患とすべきとの知見を前提とする立法は,その前提を欠いていること
を踏まえて,異性愛者には婚姻という制度を利用する機会を提供しているのに対して,同性愛者に対して,婚姻という制度によって生じる法的な利益の一部すらも受け取る制度を提供しないとしていることは,憲法14条1項(法の下の平等)に違反するとしました。

最後は国会が解決するしかありませんが,同性婚の実現に一歩前進といったところでしょうか。


●司法試験の出願者数
2021年の司法試験の出願者数が3,754人との発表がありました。

2012年~2015年頃の出願者数が約1万人前後で推移していたことを思うと急激な減少だと思います。

見方を変えれば,合格者数を大幅に削減されない場合,合格するには今年がチャンスかなと思います。


●ファクト確認団体の設立?
ヤフーなどのインターネット事業者でつくられる「セーファーインターネット協会」は,ネット上に拡散されるフェイクニュース対策として,情報の真偽を検証する「ファクトチェック」を行う団体を設置するように総務省有識者会議に求めたとのニュースがありました。

全国教室ディベート連盟・読売新聞が主催した,第24回ディベート甲子園高校の部の論題が「日本はフェイクニュースを規制すべきである。是か非か」で,審判をやる度に,ファクトチェックは簡単にできるものなんだろうかと思っていましたが,正にこれから取組の方向性を議論していこう,ということでした。
https://www.saferinternet.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/Disinformation_interim-report.pdf

またこうして中学生・高校生が時代に先駆けて,青春をかけて議論したことが,その実現に向けて進みますね。


●消費税の総額表示
4月1日から,商品やサービスに表示される価格について,消費税の総額表示が義務化されます。
消費税の総額表示の義務は,平成16年から施行されていましたが,消費税が8%,10%と上がっている過程で,特例として税別価格であることが表記されていれば,税込の表示までは必ず必要とはされていませんでした。
総額表示義務に違反した場合の罰則はありません。

これ,弁護士の仕事にも関係してくるのかなと頭をよぎりましたが,消費税法63条は,「事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」としていました。

個々の案件毎の請求書・見積書・委任契約書は,不特定かつ多数の者に対する価格の表示ではないので,総額表示の必要はありませんでした。

以上,ちゃんと条文を確認しましょう,というお話しでした。



4月も花粉症に負けずに執務に取り組んでいこうと思います。


弁護士 大石誠(神奈川県弁護士会所属)
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