ハマ弁日誌

弁護士大石誠(神奈川県弁護士会所属)のブログ 最近は相続の記事が中心です

ホテル療養中の死亡事例

中和抗体薬を投与する,いわゆる抗体カクテル療法が,新型コロナウイルス感染症の軽症・中等症患者向けの治療として効果的との報道が増えてきました。

そう遠くない将来に,インフルエンザと同じように,ワクチン接種と「あら~,COVID-19ですね。じゃぁ点滴して帰りましょうね。」の組み合わせだけという日常が戻ってくると良いですね。


さて,新型コロナウイルスに感染した男性が宿泊療養施設で死亡したことをめぐって,遺族が神奈川県に対して損害賠償(?)を求めた事件について,神奈川県は,県の対応方針に不適切な点があったと認め和解金を支払うこととなりました。
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(?)としているのは,報道だけでは訴訟の内容が分からないためですが,おそらくは国賠でしょう。

同種の訴訟は今後,県の内外を問わず出てくるのでしょうか。


かつて,故瀧本哲史氏が,
国家の正義の実現を,国家がやる必要はないのです。むしろ国家が全部やると,とても効率が悪い。弁護士がどんどん働いて,企業が「下請法どおりにやらないとマジで会社が潰れる」と思うようにすればよいのです。行政府や立法が解決できていない問題を,積極的に問題として定義し,そして大ごとにすることが,需要を創り出す手っ取り早い方法です。」*1
とインタビューに答えていたことを,このニュースを見ながら思い返しました。

県を相手に盛んに訴訟をすべきだということではなく,国・県が解決できていない問題を,裁判の俎上に載せたこと,これもイノベーターの形だなと思います。


何度かディベートの大会の審判でご一緒させて頂きましたが,後悔先に立たず,いま振り返ると,もっと瀧本さんの考えに触れるべきだったと思います。


気付けば今年も残り3か月。
今月からは大学の秋学期の授業が始まります。学生に良いものが提供できるように準備を整えないとですね。


弁護士 大石誠(神奈川県弁護士会所属)
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