ハマ弁日誌

弁護士大石誠(神奈川県弁護士会所属)のブログ 最近は相続の記事が中心です

借地借家法とデジタル化

すっかり更新が疎かになってしまいました。

今月2日の官報に借地借家法施行令の公布について掲載されていました。

借地借家法が改正され、



(定期建物賃貸借)
第三十八条 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。

2 前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。

3 第一項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

4 建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。



と規定されましたが、この4項の「承諾」について

・建物の賃貸人が、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該承諾に係る建物の賃借人に対し同項の規定による電磁的方法による提供に用いる電磁的方法の種類及び内容を示した上で、当該建物の賃借人から書面または電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものによって得るものとする。

・建物の賃貸人は、前項の承諾を得た場合であっても、当該承諾に係る建物の賃借人から書面等により借地借家法第38条4項の規定による電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該電磁的方法による提供をしてはならない。ただし、当該申出の後に当該建物の賃借人から再び前項の承諾を得た場合は、この限りではない。

との内容でした。


これまで定期建物賃貸借契約については、公正証書によるなど書面によって契約をするときに限るとされ、あらかじめ、貸主から借主に対して、更新がなく期間の満了によって建物の賃貸借が終了することを記載した書面を交付して説明しなければならないとされていました。

これが近年のデジタル化・電子化の流れに合わせて、アパートやマンスリーマンションなど電子契約も可能となります。

また、法務省令で定めると委任されている部分については、借地借家法施行規則の準備が進められており、「借地借家法施行規則」案の概要に関する意見募集がされています。
public-comment.e-gov.go.jp


内容を見ると、双方のパソコン間で送受信できるファイルで、賃借人側で印刷もできる方法で提供するように、とのルール作りが予定されているようです。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000234614



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