ハマ弁日誌

弁護士大石誠(神奈川県弁護士会所属)のブログ 最近は相続の記事が中心です

ウーバーイーツのその後

一昨年にブログに書いた件の続報です。
ooishimakoto68.hatenablog.com



「ウーバーイーツ」の配達員の自転車に追突されて負傷したとして、被害女性が、配達員とサービスを提供するウーバージャパンに対して損害賠償を求めた事件について、配達員とウーバージャパンが連帯して140万円を支払うという内容で和解が成立したとのニュースがありました。
www.yomiuri.co.jp


記事によれば、
「女性は20年8月に提訴。訴訟では、事業に関連して他人に損害を与えた場合、使用者が賠償責任を負う民法上の「使用者責任」が認められるかが争点だった。
女性側は「ウーバーの指示に従って配達業務を行い、事実上の指揮監督関係があり、使用者責任を負うべきだ」と主張。これに対し、同社側は「配達員は独立した事業者として、自由な裁量で仕事を受けており、会社に使用者責任はない」と争っていた。
和解は9月30日付。和解には口外禁止条項があり、原告側の代理人弁護士は和解に至った経緯を明らかにしていない。」
とのことです。


昨年には、団体交渉を拒否されたとして、東京都労働委員会に救済申し立てをしたというニュースもあり、この件では労働基準法上の労働者」ではないものの、労働組合法上の労働者」にあたるかどうかが注目されていました。


今回の裁判は和解で終結したとのことですが、他に同種・類似の争点を含む訴訟が存在する場合には、むしろ積極的に和解を成立させた方が良いという判断が適切な場面も多くあります。
つまり「ウーバージャパンの使用者責任を認める判決が出て、他の案件に影響するリスク」「和解金」とを比較衡量したのだと推測されます。



弁護士 大石誠(神奈川県弁護士会所属)
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