ハマ弁日誌

弁護士大石誠(神奈川県弁護士会所属)のブログ 最近は相続の記事が中心です

メモ

【メモ】遺産共有と共有持分の併存

●遺産共有持分と他の共有持分が併存する場合における共有関係の解消 「判例(最二小判平成25年11月29(民集67巻8号1736頁))は、遺産共有持分と他の共有持分との共有関係を解消する方法として裁判上採るべき手続は、共有物分割訴訟であり、その共有物分割…

【メモ】家事審判申立書の送達

「家事審判の申立書の写しの送付またはこれに代わる通知をすることができない場合(例えば、申立書記載の相手方の住所の記載に不備がある場合)には、そのままでは手続を進めることができなくなる。そこで、第2項*1は、第49条第4項から第6項までを準用し…

【メモ】不動産競売の執行費用

「執行費用は、共益費用であるものと共益費用でないものとに分けられ、共益費用であるものを手続費用という(民執63条1項1号・188条参照)。この手続費用の配当の順位は最先順位として扱われるが、それを根拠づける直接的な規定はない。手続費用は当該執行…

【メモ】遺産分割前の預貯金債権の行使

条文 平成30年改正後 民法909条の2 「各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に第900条及び第901条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情…

【メモ】被相続人 韓国籍の相続放棄

●適用法 法の適用に関する通則法第36条「相続は、被相続人の本国法による。」 ⇒準拠法は韓国民法準拠法は韓国民法であるものの、日本に居住し、財産が日本にある場合、相続放棄の管轄は、日本の家庭裁判所になる(韓国民法を前提に。被相続人の最後の住所地…

【メモ】①相続分の譲渡の税務、②貸金庫の借主が死亡した場合の実務の取扱い

①相続分の譲渡の税務 「(1)他の共同相続人に無償で譲渡したときは、譲渡人は未分割遺産についての持分的な権利を失い、何らの相続財産も取得しないことになるので、これに相続税が課税されることはない。譲受人には、固有の相続分に譲り受けた相続分を加…

【メモ】相続債務の弁済と相続放棄の関係

・相続人の固有財産となる死亡保険金を、保険会社に請求し、受領する行為は、相続財産の処分にあたらない ・相続人の固有財産である死亡保険金をもって行った被相続人の相続債務の一部弁済行為は、相続財産の処分にあたらない ・被相続人の猟銃事故共済につ…

【メモ】相続放棄と管理義務

(改正前の条文) (相続の放棄をした者による管理) 第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない…

【メモ】民法906条の2の適用範囲の限界

設例 民法906条の2の規定は、遺産分割前に遺産に属する財産が全て処分された場合にも適用されるか。⇒適用されない。 遺産分割前に遺産に属する財産が全て処分され、遺産分割の対象となる財産が存在しない場合には、そもそも遺産分割を行うことができないか…

【メモ】遺産分割時に被相続人名義の財産の2分の1は配偶者の固有財産であるとの主張

●我妻 「夫婦の財産の帰属には、およそ三種類のものがあるように思われる。(中略)第三は、名義は夫婦の一方に属するが実質的には共有に属するとなるべきものであって、婚姻中に夫婦が協力して取得した住宅その他の不動産、共同生活の基金とされる預金、株…

【メモ】財産分与と慰謝料と税務

離婚給付を受けた者に対する課税 「財産分与を受けた者に対し贈与税は課されないのが原則である。」但し、例外として相続税法基本通達 9-8 婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産(民法第768条(財産分与)、第771条(協議上の離婚の規定の…

【メモ】外国に居住する相続人と遺産分割協議

「外国に居住しており、印鑑登録証明書が発行できない場合には、これらの手続の際に問題になります。これに対する対処法としては、金融機関ごとに取扱いが異なりますが、概ね、在留証明とサイン証明を現地の大使館や領事館に行って取得する必要があります。…