ハマ弁日誌

弁護士大石誠(神奈川県弁護士会所属)のブログ 最近は相続の記事が中心です

【メモ】外国に居住する相続人と遺産分割協議

「外国に居住しており、印鑑登録証明書が発行できない場合には、これらの手続の際に問題になります。これに対する対処法としては、金融機関ごとに取扱いが異なりますが、概ね、在留証明サイン証明を現地の大使館や領事館に行って取得する必要があります。これらを委任状や遺産分割協議書等に添付してもらうことによって、印鑑登録証明書の代わりとすることが多いです。
なお、これらの手続では追加で必要な資料等が発生することがあります。また、前述のとおり、金融機関ごとに必要な資料が異なることも多いです。他方、海外在住の相続人が必ずしも現地の大使館付近に住んでいるケースばかりではありません。仮に、何度も現地の大使館に行ってもらうなどがあると、協力が得にくくなる可能性もあります。そのため、このようなケースの場合には、手続が必要な全ての金融機関に事前に十分に確認しておくことが重要となります。」

出典 京野・林「Q&A若手弁護士からの相談374問」(日本加除出版 平成31年)250ページ


「不動産登記手続においては,登記申請が申請人本人からされたものであることや,申請人以外の第三者の承諾が必要な場合に,その承諾が本人からされたものであることを担保するため,申請人等本人の印鑑証明書を添付することが必要とされている場合がありますが(不動産登記令(平成16年政令第397号)第16条第1項,同条第2項,第18条第1項,同条第2項及び第19条),本人が外国に居住している場合については,印鑑証明書を取得することができないため,これに代わる書面として,日本の領事が作成した署名証明を添付することが認められています。
このほか,居住地が日本の在外公館の所在地と離れている場合など,領事が作成した署名証明を取得することが困難なときは,外国の公証人が作成した署名証明を添付して登記の申請をすることも認められています。
なお,日本の在外公館における署名証明の手続につきましては,外務省のホームページをご確認ください。」

出典:法務省:外国に居住しているため印鑑証明書を取得することができない場合の取扱いについて


注意
※サイン証明書は2種類
(1)割印・貼付型 署名する書類を持参してサイン証明書を貼り付ける。不動産の相続登記ではこの型が遺産分割協議書に要求される。署名・拇印は領事の面前で行う必要がある。
(2)単独・所定紙型 金融機関の相続手続きのみで使う場合はこれで足りることが多い。

※パスポート、署名する書類、署名証明申請書を持参する必要アリ

※在留証明書も合わせて取得しておくと良い


参考例:在アメリカ合衆国日本国大使館
※管轄は、ワシントンDC、メリーランド州バージニア州
署名(および拇印)証明 | 在アメリカ合衆国日本国大使館


参考:「相続人が外国に住んでいる場合や海外在住で外国籍になっている場合、不動産の相続手続きはどうすれば良いですか?署名証明書や在留証明書についても教えてください。」
相続人が外国に住んでいる場合や海外在住で外国籍になっている場合、不動産の相続手続きはどうすれば良いですか?署名証明書や在留証明書についても教えてください。 | 相談事例 | 【大阪の司法書士法人・行政書士法人】さくら国際